エッセイの書庫

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使命について

天啓が訪れる事は、ありませんでした。
使徒からのお告げもなかったし、衝撃が走るような運命的な出来事もなかった。

そういう類(たぐい)の「使命」が、もしかしたらあるんじゃないか。
なんて思っていたりもしたけれど、それは、私には無かったです。

輝いて見える誰かの言葉を借りて、「自分の魂の願いは、これ!」と、
思いこんだりもしました。

なんか、こう、きらめいて掲げる旗が欲しかったのだと思います。

悩んだり、羨んだり、してばかりいるうちに、だんだん、
「使命」を思い詰める自分自身をめんどくさく感じてきました。

「使命」がなくたって、ここに居ていいんだよね。

そう思えるようになって、ようやく、
「こんなふうでありたいな」と感じることが浮かんできました。

それは、「まっすぐに」ということ。

とても大切に感じる何かや、大好きな誰かがいたら、
大切だな、大好きだな、という思いにまっすぐでありたい。

愛したり、大事にしたい。
幸せそうだったら、嬉しいと感じたい。
なくしたら、悲しいと感じたい。

世界の悲しみや理不尽に直面したら、悲しんだり、怒りを感じたい。
自分の無力さに立ち尽くしたい。
それでも出来ることがあるなら、ただそれをやりたい。

生命の美しさを目にしたら、素晴らしいなと胸を熱くしたい。
風に吹かれて気持ちいいなとホッとしたい。

宇宙の不思議をどこまでも追いかけてみたい。
謎の中に飛び込んで、ワクワクと、なんだかわからなくなってみたい。

自分のズルくて弱い部分に出会ったら、あぁ、なんてダメなんだろうとがっかりしたい。
でも意外とやるよね、私えらい、と胸をはりたい。

迷うなら、気が済むまで迷おうと思う。
だらしなくしたい時には、飽きるまでダラダラしよう。

誰かの言葉に傷ついたら、傷ついて辛いと泣こう。
愛に囲まれていると感じたら、ありがとう、愛しているよと伝えよう。

幸せでいよう。
幸せってなんだろうと、問いかけていこう。

生きるって、素晴らしい。
死ぬって、別れが辛いよ、でも、静かに見つめたい。

そんなふうに、全てに、ひとつひとつ、まっすぐでありたい。
まっすぐになれない時には、「まっすぐになれないんだね」と自分に言ったりしたい。

平和を願いたい。
こんな世界素敵だなと夢を描きたい。

目の前やどこかにいる誰かや何かとかさなりたい。
幸せでありますようにと祈りたい。

そんな日々でいたい。
その喜びとともにいたい。

それが今の私の使命かなと思います。

(2021. 9. 29)

【 書き終えて思ったこと 】

書き終わり、読み直してみて思いました。

「ただ生きているだけだな」

ついつい熱く語ってしまいましたが、ここに書いてあるのは、
ただ日々を生きている。っていうこと。それだけでした。

とても単純。でも大切にしたいです^^

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