エッセイの書庫

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衣食住について

「衣」、着るもの。

数年前から「麻に守られたい。包まれたい。」と思うようになりました。
そうして、少しづつリネンのお洋服が増えてきました。

着心地もよく、洗濯にも強く、シワも味になり、1年中着られる。
なんて、ラクで気持ちの良い素材でしょうか。しかも長持ち。
面倒くさがりの私にぴったりすぎて震えます。

そんなリネンのアイテムを何かしら身につけていると、なんとなく安心です。
時にはコットンやウールなども交えながら、なるべく天然素材のお洋服になるように整えてきました。

ありがとう。
植物や、動物からの恩恵を、日々受けていることに。
安心に包まれて、嬉しい気持ちで「今日は何を着よう?」と楽しめる今に。

私にとっての「衣」は、安心と喜びを守ってくれるお包み(おくるみ)です。

同時に、スカートのふわふわや、フリルやプリーツを愛でる「女性」や「女の子」の自分を
「ずっと楽しんでいいんだよ」と、甘い愛で包んでくれる魔法の鏡です。

「食」、食べるもの。

どうしたら、この身体にとって健やかな食事が出来るのだろう?
このテーマは、振り返ると結構長い年月、ゆっくり、でもずっと、見つめてきているなと思います。

生理痛が重かったりとか、喘息が出たりとか、不妊で悩んだりとか。
身体に関わる事象と直面するたび、食べ物から改善するには?と考えてきました。

そしてもう一つ。
私は、料理が、そんなに得意ではないのです。

いや正確には、やればそれなりには出来るのですが、作るのが面倒くさい。
ほんとは毎日やりたくない。でも、美味しくて安心できる安全なものを食べたい。

この矛盾を、どうにか出来ないだろうか?
こんな側面からも、結構、じっくり考え、試行錯誤してきたと思います。

現在、お米やお野菜は、無農薬無堆肥の自然農法を行う農家さんから購入しています。
これが、本当に美味しい。スッキリしていて、気持ちの良い味です。

調味料も、自然農の素材から作られたものとかを出来るだけ選ぶようにしました。

丁寧に手間暇かけて作られている背景が浮かぶので、
食材の扱いが丁寧になり、無駄が少なくなります。

お米が美味しすぎて、炊飯器を捨て、土鍋を買ってしまいました。
丁寧に炊きたくなったのです。しかも、土鍋ご飯むちゃくちゃ美味しい。

とにかく美味しい食材なので、あまり調理に手間をかけなくてもイケます。

ラクして、美味しい、っていいです。
健康でいられるし、心が安定する。

「食」は私にとって、とても贅沢な時間をくれるもの、みたいです。

身体が健やかに整い、心も穏やかに安心して、良かったなぁ~と思える。
大地の素晴らしさ、植物のすごさを感じて、嬉しいなぁ~と思える。

肉体を持って、生きて、味わって、人や自然に生かされていることを感じて、
「幸せだなぁ」って思える。

なんて素敵。
「食」を通して、生きている喜びを感謝できる自分になれるんだな、と思います。

「住」、住むところ。

私は、お家が大好きです。
外出を自粛しなくちゃいけない期間でも、そんなに苦じゃなかったくらい。

昔からインドア派でしたが、離婚後に大幅な断捨離をして、
以後もたびたび家の中身を厳選するようになってから、ますますお家好きになりました。

現在、家にあるものは、「本当に必要で、大好きなもの」ばかりです。
この基準で見直してきたら、それほど沢山のものは必要ないんだなと分かりました。

掃除や移動がラクなように「軽くて、動かしやすいもの」も基準の一つです。
デザインももちろん気に入ったものを持ちたいですが、「軽さ」は結構はずせません。

今住んでいるお家は、両親が初めて購入した家でした。
そのためか、とても愛着を感じてくれていて、自分達は別のお家に住んでいたのに、
この家の修繕とか、庭の手入れなどを、せっせとこまめに行なってくれていました。

だから、多分、このお家は、父と母のことが大好きです。
両親が訪ねてくると、お家が嬉しそうにしているな、って感じます。

何度も言いますが私は面倒くさがりなので、庭の手入れとか全然できません。
掃除もマメにはしません。
もしかしたら、私よりも両親の方が、お家に愛されてるかもしれません。

そんな面倒くさがりの私でも、なんとなく整頓された空間として家の中を保てているのは、
大好きで目をかけられるものを、把握できる量だけ、置いているからだと思います。

そうして、大好きなものだけがある空間になったお家。
愛すると、愛し返してくれるお家。

ラクに幸せに生きたい、と思う私と一緒に、生活という海原を航海する船のよう。
時に別の場所の旅から帰ってきた私を「おかえり」と迎えてくれるお家が、
嬉しそうだったらいいな、と思います。

「衣食住」について考えてみて。

私という、肉体をもった存在が、穏やかな心で、
心地よく健やかな毎日を送るために、共に協力してくれる仲間。

肩の力を抜いて、気楽に付き合っていける友達。
でも、心から大切に思いあったり、味方したりしてくれる。
幸せや喜びについて思いを馳せるきっかけや、気付きをくれる。

私の繊細な部分を守ったり、愛したりしてくれる、家族。

そんなものなのかな、と思います。

彼らを愛することで、自分自身の幸せを安心して味わえる。
彼らからの愛を受けとって、この世界に生きる素晴らしさを喜べる。

そういう、大切な嬉しいものたち、みたいです。

(2021.7.25)

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